はじめに
Debian GNU/Linux Lenny を Let's note CF-S8 で使っています.その時の設定の記録 です.
locale はインストール直後に dpkg-reconfigure localesで ja_JP.EUC-JP をデフォルトにしています.
Xorg
Intel のドライバを使用するため,xorg.conf の Section "Device"に Driver "intel"を追加しました.これによって,画面解像度の変更などが可能になります.
外部モニタへの画面の出力は Fn+F3 ではうまく行 きませんが,xrandr または grandr を使えば出せました.
Let's Note の話ではありませんが,TOSHIBA dynabook SS S4/275PKNHW を etch から lenny に update したら,Fn+F5 での video 出力切替えが出来な くなりました.fnfxd を入れてみたのですがこれ もうまく行かず,色々試した結果 toshset で切替 えられることが分かりました.toshset を使う場 合 toshiba モジュールを読み込んでおく必要があ ります.
Web Browser
firefox-3.6.11 のソースコードをダウロードして, 自前でコンパイルしてみました.幾つかの開発用パッケージを導入する必要が ありましたが,コンパイルには成功し,動作することが確認できました. 3.6.0 の頃は時々 segmentation fault で落ちましたが,現在はほとんど問題 なく動いており,3.5.7 よりは安定していると思います.また,ドキュメント の通りにビルドするとfirefox-3.0 以上と認識されないのか,yahoo.co.jp の トップページで注意が出ますが,configure に渡 すオプションを工夫することで回避できました.それから, /usr/share/applicationsに desktop ファイルを作って menu から起動すると,システムの proxy 設定の読み込みに失敗するようです. コマンドラインからの起動では問題ないのですが.手動で proxy の設定を行 うことでこの問題は回避しました.
firefox-4.0 の 32bit 版のバイナリーは従来通りの問題があったんですが, 64bit版(linux-x86_64)バイナリーが ftp サイトにあったので,そちらを取っ て来たらメニューの区切りの罫線の表示の問題や proxy の設定の読み込みの 問題も起こりませんでした.4.0 の関してはソースコードからのビルドは不要 のようです.もっとも,mozilla.jp の web ページでは x86_64 用のバイナリー を選択する事はできないようなので,一手間かかりますが.
他の候補として,deb パッケージで公開されている opera の ver.10.10 をイ ンストールしました.uim を使って漢字を入力するには,/etc/X11/xinit/xinput.dの下にある, uim-* の一部を QT_IM_MODULE=xim に変更する必要がありました. flashplayer を動作させるには /usr/lib/mozilla/pluginsにデフォルトで作成されてい る flash-mozilla.so を削除(または置換) する必要がありました.mozilla 系とは少し癖が違うので戸惑う部分もありま すが,問題なく使えています.
opera ver.10.63.6450 にアップデートしました.10.60 の当初は上記の変更 があっても日本語入力が化ける問題があったのですが,このバージョンで問題 が解決されたようで,普通に漢字変換も使えるようになりました.しかし,初 めてのページを表示したり,時間が空いたページの再表示を行ったりした場合 に,描画が妙に遅くなるとがあるような気がしています.既に ver.11.01 に なってますが,描画が遅くなる現象は相変わらずなような気がします.
Google Chrome 7.0.517.41 も deb パッケージが公開されていたのでインストー ルしてみました.こちらも問題なく動作し,日本語入力も普通に使えています. メニューにファイルをオープンする機能が無かったようなので,ファイルを表 示するにはfile:///形式の URL を使う必要があっ たのに少し戸惑いました.表示は opera よりも早く感じます.chrome はイン ストールされるとapt に配布先が登録され,アップデートマネージャの管理下 に入ります.頻繁にアップデートされていて,既に 10.0.648.151 までアップ デートされてます.
Lenny にデフォルトでついて来る iceweasel は当然ながら特に問題なく動作 しますが,flashplayer の 64bit 版は通常の adobe のページとは違う所から ダウンロードする必要がありました.
下記の IPA Font をインストールして標準フォントとして使用しているのです が,文字サイズを変えた時の表示の美しさでは firefox が一番綺麗だと思い ます.operaや chrome は綺麗に表示されるサイズと,そうでないサイズにか なりの差があります.とにかく素早く表示したい時には chrome か opera,長 く目にするページは多少遅くとも firefox を使うと言う感じで今の所使い分 けていますが firefox-4.0 になって確かに速度差は小さくなったような気も します.
IPA Font
fontconfig の設定のために /etc/fonts/conf.d の 51-local.confを使って IPA フォントを読み込むことができますが, そのままでは文字のベースラインががたがたになるので,conf.avail の 10-unhinted.conf へのシンボリックリンクを貼りました.
ghostscript で IPA フォントを有効にするために, Etch では/var/lib/defoma/gs.d/dirs/fonts の CIDFnmap と cidfmap を修正する必要がありましたが,Lenny では defoma の 実行で自動で追加されるようです.
UIM のツールバーの非表示化
標準では UIM のツールバーがウィンドウに出続けてしまうので, im-switch -s uim-systray としてウィンドウ上部のシステム トレイに表示されるようにしました.こうすると OpenOffice Impress のスライドショーの時に UIM が非表示になります.選択可能な入力方法は im-switch -l で確認できます.標準は uim-toolbar に なっていて,uim 単体だと uim のインターフェースは表示されません.
リムーバブルメディアの暗号化
Linux のファイルシステムやブロックデバイスを暗号化する方法は複数ありま すが,リムーバブルメディアのマウントが簡単に出来そうな cryptsetup を使い始めました.まず,準備作業として次 のようにメディアを暗号化します.メディアは /dev/sdb で認識され,パーティ ションは 1 だけ FAT32で作成しておくものとします.
# cryptsetup luksFormat /dev/sdb1 # cryptsetup luksOpen /dev/sdb1 sdb1 # mkfs.vfat -F 32 /dev/mapper/sdb1 # cryptsetup luksClose sdb1
この作業の後 GNOME 上だと,メディアを接続した時点でパスワードの入力を 要求され,正しくパスワードを打ち込むと自動的にマウントされました.GUI 環境で取り外しまで実行できます.上記の作業の間にパスワードの設定を行う 必要があるため,root の権限を持つか sudo ができないといけないのがネッ クになるかもしれませんが,メディアに対して一度設定してしまえば一般ユー ザーでも暗号化を意識せずに使えるのが楽だと思います.
上の例ではファイルシステムを FAT32 で作りましたが,どうせ Linux でしか 読めないので,ext2/ext3 でファイルシステムを作っても良いような気がしま す.