はじめに
Ubuntu 12.04LTS 上の gEDA と pcb を使って,プリント基板加工装置で使える gerber データの作成を行いましたので,その手順を記録しておきます.
参考とした Web ページ
Tatsuya.Nakagawa さんの「HobNote」の Linux で gEDA 関連の Tool を使ってみる のページの情報をおおいに参考にさせて いただきました.
gEDA による回路作成
上記のページにあった NPN トランジスタの固定バイアス回路の基板を作るこ とにし,gEDA 上で回路図を入力しました.
gEDA に標準でついて来る「Basic Devices」の npn-3.sym を最初使ったので すが,これはピン番号が 'B', 'C', 'E' と文字で定義されていて,pcb に渡 す netlistを作った時に問題が発生するため,npn-3.sym 中の pinnumber を 数字に置き換え,さらに footprint の情報を追加した npn-ecb.sym を作って そちらを読み込むようにしました.尚,ピン番号はパッケージを上から見た状 態で割り当てる必要がありました.最初,下から見た状態で振ったんですが, pcb で作った gerber データを基板加工機に読みとらせた際に底面の加工は 自動で左右反転してくれるため,うまくありませんでした.
また,抵抗やコンデンサも footprint との対応付けが行われないので,次の 表の通りに設定しました.footprint の名称は /usr/share/pcb/pcblib-newlib/geda/ の下に保存されて いる fp ファイルから探せます.
パーツ | footprint |
トランジスタ | TO92 |
抵抗 | ACY400 |
コンデンサ | RCY200 |
コネクタ2ピン | JUMPER2 |
コネクタ3ピン | JUMPER3 |
pcb による基板デザイン
gsch2pcb を使って gEDA で作成した回路図 (sch ファイル)を pcb で読みとれる layout ファイルと netlist に変換しました. File メニューの Import Schematics で,sch ファ イルを直接読み込ませることもできましたが,footprint の設定と配線を確認 する意味でも netlist を経由させることにしました.作成した layout や netlist はそれぞれファイルメニューの Load layout と Loat netlist file で読み込めます.
レイアウトを読み込んだ時点ではパーツが密集しているので,Select メニュー のDisperse all elements で分離した後で, Connects メニューの Optimize rats nest で ピンの接続を確認します.
手動でパーツの配置をいじった後で,Connects メニューの Auto-route all rats で配線を完成させました.この時, 半田面にのみ配線させるためには,半田面のみを表示状態にさせておく必要が あります.グラウンドの配線はポリゴンで回路全体を囲み,THRM をピンに設 定することで結線しています.また,前もって Route Style の Signal の各数 値をデフォルトよりも大きいものに変更してあります.
最終的には File メニューの Export layout... から gerber データに変換して出力します.出力された gerber ファイルの形 式は Gerber/RS-274X になっていました.PNG や PS 等への出力もこのメニュー から行えます.